晩酌と相撲好きのブログ

毎日ビール2本程度の晩酌とおいしいつまみ、そして大好きな相撲を愛しているアラフォー妻子あり男の心の内です。たまに本業の教育分野に関することもつぶやいたり。暇つぶしに見てやってください

【長編】一瞬、アマチュアボクシングガチ勢だった俺が語る「死を予感した瞬間TOP5」!!

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私は22年ほど前、大学のボクシング部に入部しました。

1年で辞めてしまいましたが、この1年は非常に濃い期間となりました。

 

ボクシングはれっきとしたスポーツです。

ですが残念ながら

皆さんが思っている以上に過酷で危険を伴うスポーツです。

 

華やかなプロボクシングの世界チャンピオンの姿を夢見て

プロボクサーを目指す方もいることでしょう。

 

目指す前に

ボクシングの裏側のことをほんの少しだけでも

知っておいてほしい。

そんなことを思い

 

ボクシングに携わる人からすれば非常に低次元な話になるとは思いますが、

 

今日は

私がボクシング部時代に実際に経験したことを踏まえ、

ボクシングの現実をお伝えしたいと思います。

 

ではまいります。

 

 見やすいように目次

 

高校3年生の終わりごろ

私は高3の終わりごろ、2月下旬くらいからずっと、

禁酒・禁煙・禁炭酸飲料

を守っていました。

 

ボクシング部に入ると決めていたからです。

受験勉強(そんなにしていなかったですが…)でなまり切ったこの体、

せめて体に悪いものは摂取しないように心がけていました。

 

また

自主的にロードワークも行い、基礎体力強化に努めました。

 

当時、酒はみんなで集まるときくらいしか飲んでいませんでしたが、

タバコはガンガン吸っていて、よくやめられたなと今でも感心します。

(親公認というおおらかな時代でした…)

 

炭酸飲料はもとからそんなに飲んでいませんでしたので楽勝。

 

あとは

自分なりに近所の広い駐車場で夜にシャドーボクシングをしたり、

筋トレなどもやっていました。

 

 

入部

大学入学後、ボクシング部の扉をたたき、入部しました。

私は

「大学のボクシング部なんて学業の片手間にやっているくらいの

ユルいところだろう」

と高をくくっていました。

 

その予想は当たったと、入部当日に思いました。

 

なんと、部員の8割がモクモクのヘビースモーカーだったのです!!

10畳ほどの部室一杯に煙が漂いますっていうか3メートル先が見えません。

 

あんなに節制していた自分はなんだったのか??

ちょっと残念な気になりました。

 

 

先輩たちの実力

そんな節制とは程遠い先輩たちを見て「なんとかやっていけるんじゃね?」

などと思いながら数日を過ごしました。

まだまだ基礎練習だけの参加です。

 

ボクシングにはスパーリングと言って実戦形式の練習があります。

実際にリングで戦います。

試合本番よりは大きいヘッドギアと、大きいグローブ(14オンス)を身につけます。

※試合は10オンス。これは死ぬレベル。プロは8オンス。自殺行為か!

 

これでパンチを受けた衝撃を吸収できる…と思ったら全然そんなことありません。

 

あんなに大きなグローブを身に着けて戦っていても、

ダウンの応酬が続くときもあります。

 

さて、スパーリングを見て、私が感じた先輩方の実力はと言うと…

正直、私には強いのか弱いのかあまり分かりませんでした。

 

スパーリング終了後、

先輩方の経歴が明らかになりました。

 

〇大学東北大会チャンプ・高校インターハイ出場⇒1名

 

〇大学東北チャンプ⇒2名

 

〇大学東北準優勝⇒1名

 

〇高校県大会準優勝⇒1名

 

……そうそうたるメンバーです。

完全なるガチ勢しかいません。

 

ちなみに、部員は私含む1年生を除けば6名。

非常に小さい所帯でした。

 

そのほとんどがなにがしかの成績を修めている。

 

 

なんというところに入ってしまったのだろうか…?

私は後悔するも時すでにお寿司でした。

 

 

スパーリングしているその誰もが強すぎる。

そりゃだれ一人も強く見えるはずがない。

少なくとも素人には判断できない。

高い次元での争いなのだから。

 

 

スパーリング開始

初心者で入部した私も約2か月半の訓練を経て

とうとうスパーリングの許可が下りました。

 

私の相手は東北チャンプ&高校時代インターハイ出場した人です。

しかも、階級は二つ上です。

 

※ボクシングの階級はその体重により細かく分かれており、

大体3~4キロごとに区分されます(思い階級はもっとざっくり)。

 

当時私は

173㎝ 57㎏でフェザー級(現ライト級)、

スパーリング相手の先輩は

178㎝ 68㎏(ウエルター級)

体重差11㎏あります。

 

この体重差でのスパーリングは通常、けがなどの危険度が非常に高くなるため、

普通のボクシングジムでは避けます。

 

でも、

我が部は部員が少ないため、多少の(11㎏はヤバすぎ)体重差には

目をつぶってやっちゃいます。

 

 

スパーリングとは不思議なもので、

体力は基礎練習ほど消費しないものの、

相手のパンチという打撃を自らの体に受けることとなります。

 

体力はあるのにパンチが痛かったり、もはや痛いの通り越して意識が飛んだりで

動けなくなります。

 

そして、

体へのダメージとともに心にも、パンチを受けることの恐怖を

植えつけられることとなります。

 

体力的に追い込む練習がキツイ、というのには

いくらでも耐えられましたが、

このスパーリングでのダメージを耐え、怖さを克服するというのは

非常に困難を伴いました。

 

 

ボクシングに一番必要なこと

私と同学年の初心者部員も他に3名いました。

元ヤンキーだったり(そういう大学なんです…)、硬式野球でならした奴だったり。

運動能力で言えば私よりもはるかに高い連中ばかりでした。

 

でも、実際にスパーリングをすると一番強いのは私でした。

(自慢するわけではまったくありません。現に先輩の誰かが本気を出せば

誇張なしで私の命など簡単に奪えちゃうものですから…。)

 

なぜそうなるのかというと、

相手のパンチをもらった時に顔を背けない

ということができていたのが私だけだったからです。

 

ケンカ自慢でも、運動能力が高くても、

パンチを顔面にもらった瞬間、痛いからと言って顔を横に向けてはいけません。

 

相手から目を離すということはボクシングでは死を意味します。

見えていない箇所からくるパンチは命にかかわります。

 

瞬発力もテクニックもない私が他の初心者1年よりスパーが強かったのは、

そんな理由があります。

 

非常に地味なことですが、

これをついに克服できずにボクシングをすぐにやめてしまう人もいます。

 

 

スパーリングを継続すると、強くなる

スパーリングを1か月もやっていくと、

元の自分とは打って変わって、いや、生まれ変わったように強くなります。

 

一番の違いは

パンチが内側から出るようになる

でしょうか。

 

人間はパンチを打つとき、本能的にか体のつくり的にか

フックの軌道を描くようになっています。

 

それ単発では実戦でなかなか当たらない攻撃です。

 

ボクシング経験の浅いものがズブの素人よりも優れていること、

それが

パンチを相手よりも早く届けられる=正しいストレートを打つことができる

です。

 

この頃からでしょうか…。

街のコンビニにたむろしている若者をじっと見下ろしながら

入店するようになったのは…。

 

もはやヤンキーと呼ばれる人種への恐れはなくなっていました。

あわよくばケンカ売ってこねーかなー

といった気持でした。

 

ボクシング経験者あるあるかと思います。

 

※余談ですが、コンビニたむろ若者はこういった自信満々っぽい奴にはカラんでいかないそうです。

多少図体がでかくとも、おどおどしそうなヤツを狙うそうですね。

それにしても最近はコンビニでたむろする若者が絶滅してますよね…。

 

一度、部の同期と4人でいたときに街のヤカラとドンパチやったことがありましたが、

圧勝でした。体重差がないことも要因だったかと思いますが、とにかく血気盛んでした。

(この物語はあくまでフィクションです。)

 

 

死を予感した瞬間TOP5!!

…やっときました。

大変お待たせいたしました。

 

では早速いきます!!

 

第五位は!!!!

 

 

第五位

頭の「ズキっ」が消えない

 

スパーリングを開始して3か月ほど経ったとき、

風呂場でふと気づきました。

私は洗髪後に水きりとして頭をぶんぶん振るクセがあったのですが、

近頃ぶんぶんすると頭がズキっとする…。

これはかなり恐怖を感じました。

 

このまま頭部への打撃を受け続けてよいのか?

1年で部活を辞める大きな要因となりました。

 

 

では第四位です。

 

 

 

第四位

ヘビー級全国チャンプとスパーさせられそうになる

 

うちの大学の付属高校はボクシングの名門で、そのOBが大学生の練習を見ることもあります。

その日はOBのとある大学4年生がなぜか来ていました。

その人は高校時代、ヘビー級でインターハイチャンピオンとなり、

さらに東京農業大学に進学し、ボクシングをやり遂げた

ガチ中のガチ人物!

 

先輩は私に

「あの人にスパーお願いしたら?」

と。

 

単なるヘビー級選手とやるだけでも脳挫傷確定なのに

全国チャンプと!!!!????

 

良くても植物になる。

 

そう思っていたところ、ギリギリで高校の顧問の先生が来て

何やかやでやらずに済み、助かりました。

 

本当に死を予感しました。

 

 

次は第三位。

 

 

 

第三位

国体五位の人とスパーさせられた

 

これまた付属高校OBで社会人で最近国体五位になった人がおり、

なぜかその日大学の練習に参加してきました。

(仕事しててくれよ~)

 

あれよあれよという間に先輩から

「いい経験だからスパーしてもらえ」

と。

この日は逃げられませんでした。

 

階級は私と同じくらいの相手でしたが、

国体五位っていうのは東北大会とは次元の違う大会。

そこで入賞するって…。

いや、そもそも国体に出る時点で殺人マシーン。

 

 

案の定、私はこれまで体験したことのないくらい

ボコボコにやられました。

普段はスパー中に甘い言葉など一切かけない先輩たちでしたが、

さすがに

「国体五位さん、もうちょっと手加減して!」

と叫ぶ始末!

 

私はこの日よりも鼻血を流出させたことはいまだにありません。

 

鼻水のように流れ出ていくのが分かったとき、

死を予感しました…。

 

 

次は第二位!

 

 

 

第二位

顔を下に向けたときに喰らったアッパー

 

顔を横に背けることだけはしませんでしたが、

ストレートを顔面にもらうと

もう喰らいたくないということで下を向いてかわそうとしてしまいます。

 

そこでがら空きの下からのアッパーカット!

先述のウエルター級の先輩からの一発で鼻が折れました。

 

今でも私の鼻は自分から見て右側に曲がっています。

ボクシングをやって以来、年中鼻水が出るようになってしまいました。

 

この一発を喰らった時は逆に意識はしっかりしていたので

殺される!と思いました。

 

 

では堂々の第一位!!

 

 

 

第一位

先輩「お前とやるときは拳握ってないから痛くないよな!」

 

堂々の第一位は!!

私の鼻を折った先輩からの衝撃の一言でした!!

おめでとう!!

 

 

今まであんなに私にダメージを与え続けてきたあのパンチは

しっかりと握りこまれておらず、

本気のパンチではなかったのです!!!!

 

 

そんなこんなもありまして、

私はボクシングを辞めました。

 

 

皆さんもボクシングを始めようとするとき、

特にスパーリングをするときはお気を付けください。

 

 

今回は4,300文字も書いてしまいました。

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました!!