晩酌と相撲好きのブログ

毎日ビール2本程度の晩酌とおいしいつまみ、そして大好きな相撲を愛しているアラフォー妻子あり男の心の内です。たまに本業の教育分野に関することもつぶやいたり。暇つぶしに見てやってください

剣道三段の私が問う「指導者の責任」

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ずっと前に

 

テレビ番組の

探偵ナイトスクープ

 

「今まで練習でも勝ったことのない自分だが

どうしても勝ちたい」

 

という依頼が

 

同時に

 

・剣道をやっている子供

・高校時代剣道をやっていた成人女性

 

から送られてきて

 

 

 

 

この二人を戦わせたらどうなるのか?

 

という回がありました。

 

おぼろげな記憶では

この二人は結構いい勝負で…

 

でも勝者がどちらだったかは

すでに忘れてしまいました。

 

でも

私にとって勝敗など どうでもよく

 

むしろ

 

この二人に剣道を教えた指導者に

苦言を呈したい!

 

そう思い

今日は筆をとりました。

キーボードですが。

 

 

申し遅れました。

 

何を隠そう

私は

中学・高校の6年間の修行の成果にて

 

剣道三段

です(マジで)。

 

 

剣道三段の免状(賞状)は

度重なる転居のため紛失しましたが

 

秋田県剣道連盟に問い合わせれば

私の名前が確認できるはずです。

 

ん?

できるのかしら?

 

それはさておき

 

私はこの回をテレビで視聴し

本当に指導者の無責任さに憤りました。

 

 

 

その回では

 

 

剣道経験者である成人女性(20代中半)

道道場に通う小学三年生の少年

対決するというものでした。

 

どちらも練習中でも一本を取ったことがなく

 

ましてや試合に勝利など夢のまた夢

 

そういった実力の持ち主でした。

 

 

事実

その二人の動きをみると

とても一本を取れるようには見えません。

 

剣道を何年もやっていて

一本をとる力がない

 

これはとても悲しいことです。

 

剣道はれっきとしたスポーツです。

 

制限時間内に相手に打突をし

審判から旗をあげてもらわなければ勝利できません。

 

 

そうです。

 

勝利しなければ喜びは生まれません。

 

礼儀・作法を身に着けることができたではないか!

 

そういったきれいごとを言う人もいますが

それでも

相手から一本を取って勝ち名乗りを受ける

 

剣道の醍醐味はここにあります。

 

その醍醐味を知ることなく

剣道人生を終える

 

こんな悲しいことはありません。

 

 

剣道は

圧倒的勝者が生まれにくい競技でもあります。

 

例えば

剣道の最高峰の大会である

 

全日本剣道選手権

 

では

 

二年以上連続で優勝する選手は

ごく少数です。

 

かたや

 

柔道の最高峰である

全日本柔道選手権では

 

連覇者が多数、

もしくは同じ選手が複数回優勝する

ということが頻繁に起こります。

 

※伝説の剣士 宮崎正裕選手は4連覇を含め合計6度の全日本制覇を成し遂げていますがこういった剣士は地球が存続する年数以内には二度と出現しないでしょう。

 

 

このように

剣道の勝敗は確実性がない傾向にあり

 

他のスポーツに比べ

同程度の力量の選手が集まれば

だれが勝ってもおかしくはない

という特性を持った競技なのです。

 

 

そんな剣道競技において

 

練習でも一度も勝ったことがない

 

というのは

間違いなく

指導者の怠慢です。

 

 

 

剣道で一本と認定されるには

 

気・剣・体の一致が条件となります。

 

気は気合(掛け声)

剣は相手の部位に正確に竹刀をあてる

体は正しい姿勢を保つ

 

とざっくり言えばこんなところです。

 

 

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ナイトスクープを見ていますと

 

件の2剣士は

この気剣体のうちの

気・剣はできています。

 

が、しかし

残る一つ

がまるでできていません。

 

一本と認定されるには

特に打った後の姿勢が重視されます

 

ここが一番大切なのですが

 

世の指導者は

 

この打突後の体について

より実践的な指導を行う義務があるのではないか

 

私は声を大にして言いたい。

 

 

この指導を怠っているがために

件の2剣士はいつまでたっても

一本を取れないし

その結果試合にも勝てないのです。

 

 

剣道の指導者は

この

「一本を認定されるための姿勢の取り方」

の指導するのを嫌います。

 

なぜなら

剣道の基本とはおよそかけ離れた動作だからです。

 

しかしながら

この基本とはかけ離れた動作

を行わない限りは

 

永久に審判に旗をあげてもらうことは

できません。

 

ですので

 

この

「一本をとれる姿勢」

選手個人の判断に任せる

 

批判覚悟でいうならば

 

自ら一本を取れる姿勢に気づいたものだけが試合に勝てる

という状況になっているのです。

 

これに気づけるかどうかは

個人差や運が大いに関係あります。

 

もともとの素質が高い選手は自然と一本を取り

そこから自らの経験を材料に改良を重ね

技量が増していきます。

 

たまたま一本を取れた選手もまた

自らの経験を学習材料として使うことができます。。

 

 

しかし

 

このような本人任せの指導のままでは

 

技量もなく

運にも見放された剣士は

一生一本を取るコツをつかむことはできません

 

 

私は

 

剣道の練習にはもっと

 

一本を取るための姿勢のレクチャーと

その訓練

 

が必要だと強く思います。

 

 

正直言って

普段の練習

たとえば

面打ちや小手打ちなどは

 

実際に試合でそのまま使うことはできません

 

 

練習の打突練習はいうなれば

きれいごとです。

 

正しい姿勢で打突すれば

自然と一本になる

 

この教えを剣道の指導者は崩したくないのです。

 

一本を取れない選手は

この基本のどこかを守れていないからだ

 

こういった逃げ道を用意しています。

 

しかし

私から言わせればそれは全くのでまかせ。

 

 

私も経験がありますが

 

実は

 

剣道で一本を取るには

 

すこしばかりズルをしてもよいのです。

 

ズルというのは

 

軽くコツン

と当たったくらいでも

当たった後のアクションや声が大げさであれば

立派に一本を取れてしまうのです。

 

しかし

 

練習では

「しっかり打ち込め!」

 

と狂ったように指導者は怒鳴り散らします。

 

 

一本を取るための姿勢を指導することは

その教えを真っ向から否定することなってしまいます。

 

そうです。

 

指導者の言うことは矛盾してしまうのです。

 

 

おそらく

 

世の剣道の指導者たちは

この矛盾と向き合うのが怖いのだと思います。

 

 

剣道の指導者というからには

現役時代にそれなりに勝利を重ねています。

 

その勝利のたびに

あの

コツンで一本取っちゃった

 

という感覚が残っているはずです。

 

 

私は強く思う。

 

その感覚を

惜しげもなく

特に一本を取る姿勢をとれないやつに

指導してやれと!!

 

 

 

剣道は皆さんが思う以上に過酷な競技だと思います。

 

あの防具一式を身に着けると

軽く10キロ以上にはなります。

 

さらに頭部を面で覆われ

視界が狭まり

何もしなくとも体力と精神力を削られていく。

 

その中で長い竹刀を振り回して動き回らなければならない。

 

私はボクシング経験者でもありますが

疲労度合いでいえば

剣道の練習のほうが格段に上です。

 

顔面以外へのケガは剣道のほうがかなり多い。

 

だからこそ

世の運動オンチ剣士には

一本を取ることの喜びを味わってほしい。

 

ここまで私が述べてきたことは

剣道の理念からすれば

文字通り

「小手先の技術」

 

ということになるでしょう。

 

しかし

 

その小手先の技術が一本を取るための要素となっていることを

忘れてはいけません。

 

剣士にとって

何よりの喜びは

一本を取ること。

 

そしてその結果試合に勝つこと。

 

それは弱い強い関係ありません。

 

 

一本を取る快感をぜひ

世界中の全剣士に味わってほしい

 

こう願っています。

 

 

補足:

 

剣道の審判は

おそらく世界中のどの競技の審判よりも

難しいと思います。

 

私は現役時代

審判役をやったことがありますが

正確に一本の判断ができません。

 

特に相打ちのとき。

 

世の審判はすごい。

 

これは知っておいて損はありません。

 

ちなみに

 

全日本剣道選手権の審判は

当然

現役時代は名だたる剣士だった人たちばかりなのですが

 

審判をする直前まで

彼らも実際に防具をつけて激しい稽古をするとのことです。

 

そうしないと

選手の動きに目がついていかなくなるのだそうです。

 

剣道は奥が深い。

 

私の予想では

 

外国人に

剣道の機微を理解することはできないと思います。

 

したがって

一生オリンピック種目になることはないでしょう。

 

いや

ならないでほしいと思っています。

 

もしも

オリンピック競技になったら

とんでもないルール改正がおこなわれそうです。

 

例えばつばぜり合いの時にパンチしても一本など。

 

こわいこわい。

 

 

というわけで

 

おしまい。