晩酌と相撲好きのブログ

毎日ビール2本程度の晩酌とおいしいつまみ、そして大好きな相撲を愛しているアラフォー妻子あり男の心の内です。たまに本業の教育分野に関することもつぶやいたり。暇つぶしに見てやってください

【後編】「合格後もウチの塾で頑張る意思があれば受け入れます」→入試直前入塾希望者「は?」

※前編は下記よりご覧ください。

【前編】「合格後もウチの塾で頑張る意思があれば受け入れます」→入試直前入塾希望者「は?」

 

 

 

え?なにそれ?


確かに、ウチの教室は高校生の割合が大きい。高校生の費用は、中学生に比べ高くなっている。経営面で見れば、高校生はドル箱なのだ。
さらに、中3塾生のうち、何名を高校入学後も続けさせるか、これも本社からの重要な評価基準となる。


だから、普通の個別指導塾でもそうなのだが、特にウチの教室は中3生への指導に労力をかけているので、高校入学後も継続受講してもらわなければ割に合わない。

 

でも、それは内部事情であって、お客様には関係のないこと。
いきなり塾に面談に来て「(受験で切羽詰まっている中3生の親に向かって)高校入学後も頑張る意志がありますか?」などと聞かれても困るだろう。
そんなことは考えてもいないし、とにかく高校に合格させたい。
これが切羽詰まった中3生の保護者の心だろう。
それをなぜいきなり「高校入っても続けること前提ね」なのだろう。

 

一応、上司からそう言えと言われたので(面談を上司が聞いているときもある)遅い時期の入塾希望者にはそうお伝えしたのだが、
案の定、「は?」という反応だ。
そこから背景(中3生への指導が塾としてかなりの労力を要すること)を説明するのだが意味不明だ。
自分で言っていても意味不明だ。
チラシやホームページで「まだ間に合う!!」とかなんとかデカデカとした文字が載っているからこの塾に問い合わせたにも関わらず、
なぜ高校に入ってからの契約を強制させられるのか??
マジで意味不明だったと思う。

 

私はまもなく、この上司の指示を無視し、よほどのことがない限りは中3生の入塾をお断りした。
面談希望者のほぼ100%が電話でコンタクトを取るので、電話の段階でお断りを入れた。
入塾を断ると、保護者界隈では「あの塾に11月に問い合わせたけど受け入れてもらえなかった」
という評判が立つ。ここで保護者の中のウチの塾への評価は二つに分かれる。
「不親切な塾だな」か、「早くに入塾させてじっくり生徒を育てるいい塾だな」だ。
分かれる理由はズバリ、合格実績だ。


特に、近所の子どもが第一志望に合格したという噂は効果的だ。
もしも半分以上の生徒が第一志望にかなわなかった、などという結果になれば塾の評判はがた落ちになる。

逆に、全員の合格を達成し続ければ、複数年後には伝説に近いほどの噂にランクアップしていく。

永続的な発展を考えるのであれば、中3生の途中入塾をキッパリお断りする方がいい。
そして、私のその考えは正しかった。


その後、生徒数・売上・最難関高校合格者数を爆増させた。

上司のあの意味不明な指示は何だったのだろう。
今はクリアに理解できる。
要するに、本社からの営業数値のプレッシャーがなせる業だったのだ。
直近の中3→高1継続の数値を求められるあまり、塾の永続を考慮しない刹那的な方法を選択してしまった。
マネージャーにはあまり向かないタイプだとつくづく思う。まあ、今までマネージャーに向いている上司に出会ったことはないが…。

 

歴代の上司たちが私に対し「お前には自分の考えがない。そんなんで生徒や講師に向き合えるのか!」と幾度となく罵倒してきた。
しかし、上司たちが自分のことを富士山のてっぺんまで置いてきての発言であることに当人たちが気づいていないのだろう。

本社の数値など無視せよ。
大切なのは塾の永続的繁栄。そのために必要な要素は受験生の全員合格!
大切なことはこれしかない。

このことから目をそらす上司たちの指示は、そりゃ的外れになるというものだ。
私もこれらの上司たちの言葉に思い悩んだものだ。自分はダメな人間だ。自分には思いがない。
イヤ、そうではない。上司が望む、言い換えれば本社の言いなりになり、さらには長時間サービス残業をいとわない。
単純に、上司の都合のいい人材ではないことを非難されているだけだったのだ。


最後に教訓を。
こういった、「相手の意味不明な言葉」には必ず相手ではない他の者の意図が組み込まれている。
他者の意図が組み込まれたその相手の発言にはナチュラルな矛盾をはらむこととなる。
それがその言葉の意味不明さを演出させる。


どうか
相手の発言が意味不明な場合、どの者の意図が組み込まれているか、考えてみてほしい。
解決の糸口が見つかるはずだ。
上司の場合は、大体はそのまた上の上司だ。上司の上司の意図を先読みすることができればサラリーマンとしては優秀でいられるだろう。

 

数値に追われる上司は、顧客・部下・部署の将来性を考慮できず、刹那的な発想に支配されてしまう。
そういった上司に自分は追従していくべきなのか?皆さんも考える機会にしていただければと思う。

 

 

以上で終了です。長い文にお付き合いいただき、ありがとうございました。