日曜日。
私はTSUTAYAに行きました。
入り口では私服の中年男性が
ティッシュを配っていました。
ありがたくティッシュをいただきました。
私は
ティッシュ配りしている人からは
必ずその差し出されるティッシュをいただく
と心に決めています。
なぜなら
私がティッシュ配りの経験があるからです。
その経験により私は
ということを知りました。
思ったよりメンタルに来る仕事、それがティッシュ配りなのです。
だから私は、ティッシュ配りをしている人に敬意を表し
受け取ることにしています。
が
配布主である中年男性は藪から棒に話しかけてきました。
私はこのパターンだったか!!
と少し後悔しました。
という公式が成り立つわけです。
それに当てはまってしまったのが
私なのでした。
よし、
数分間、貴方に時間をくれてやろう。
そう諦観し、相手の話を聞きます。
「ケータイはどこで契約されていますか?」
なるほど。
ドコモに乗り換えさせる営業だったのか。
実は、私は常々、ケータイ乗り換えさせマン(ウーマン)に話しかけられた時の答えを用意していました。
一発で営業を粉砕できるパワーワードです。
「すみません。私、格安SIMなんです…」
こういえば相手はもう追ってはこない。
なぜなら
=自分で検索して動ける奴=要するに貧乏人(涙)
という公式が成り立つからです。
そんな貧乏人がドコモなど月々6千円も7千円もかかるような契約を結べるはずがありません!
ちなみに今は月々3,120円、ケータイ代がかかっています。
意外と普通ですって?
ノンノン。
これは妻と二人合わせた金額です!
私のケータイ代、単独では
1,565円/月
です。
しかもパケットは月々5GBついてきます。
が
使い切れず、Maxにたまって月々15GBスタートになっちゃっています。
私は今の格安SIM会社で
大満足です。
どこにも変える気はありません
(初期費用なしで同条件で、月々200円以上変わるのであればそこに変えますが…)。
で
私は満を持して
最強の呪文である「格安SIMです」を唱えました。
すると!!
「どこの会社ですか??」
と、こう来ました。
いやいや!
どの会社でもいいじゃねーか!
だってどの会社であろうが格安SIMである限り
大手3キャリアの料金とは比較にならぬほど安いのだから!
なぜこの中年男性はどの格安SIMかを聞いてきたのだろうか?
ひょっとして勝算があるのか?
格安SIMの中でも、ドコモが勝てる料金プランが存在するというのか??
私は最強の呪文が効かなかったショックを受けながらも
「マイネオです…」
と力なく答えました。
まるでMPがなくなった魔法使いが最後に発する「メラ」のように…。
すると中年男性が意外な発言をしてきました。
「勉強不足で…マイネオっていう格安SIMがあるんですか?」
「月々いくらですか?」「データは何GBですか?」
と。
私は丁寧に質問に対する回答をしていきました。
「そうなんです。マイネオという格安SIMがあるんですよ。CMでもやっていた時期がありましたよ。月々1,500円ちょっと5GBついていますね。」
すると、男性は「ありがとうございます。では、電波状況はいかがですか?」
と聞いてきました。
そうです。ドコモ(大手3キャリア)が格安SIMに唯一勝てる部分
それが電波の良さ
なのです。
私は「正直、昼飯時と18時~19時くらいは電波遅いんですけどその時間帯はスマホいじらないので困っていないです。でもドコモって電波いいですよね~」
と答え、やっと男性は
「docomoにも安価なプランがあるのですが乗り換える可能性って、さすがにないですよね…」
とチラシを見せながら敗北宣言を出しました。
※確かに安いプランがあったのですが、マイネオの方が断然オトク
私も「残念ながら…そうですね…」と答えました。
そのとき、私がパッとひらめいたことがあり、
それを中年男性に伝えました。
「たぶん、格安SIM契約者の中には、
ネットゲームのヘビーユーザーなど『電波の悪い時間帯への不便』を
強く感じている人が必ずいると思います。
電波の良さが客の生活やランニングコストにどう好影響を与えられるかの訴求を工夫すれば、乗り換えの可能性はあると思います。」
営業の本職である中年男性に
失礼かとは思いましたが、上記アドバイスを僭越ながらさせていただきました。
実は私は最初の「マイネオって言うのがあるんですか?」の時点で
(あ、この中年男性は契約取れない人なんだろうな)
って瞬間的に察していました。
だって
格安SIMと戦うのにマイネオを知らないって…。
あまりに同業他社研究をしていなさすぎる。
世の中には勘違いしている営業・販売職の方がたくさんいるのですが
契約数を高めるには、まずは商品知識が豊富であることが大前提です。
売れない 売れない
と嘆いている営業・販売職の方のほとんどが
そもそもの商品知識(自社・他社)が足りていません。
営業トークができないからではなく
相槌を打つタイミングが悪いからではなく
話しかけるコツを知らないからではなく
ほとんどの場合は商品知識の乏しさが原因で
営業成績が伸び悩むのです。
私がドコモの販売員なら、
電波の悪さがこんなにもあなたを損させている!
ということを激烈に大げさに伝えます。
で、格安SIM各社の電波実測値と、自社の実測値から
一日の電波遅延で生ずるムダ時間をはじき出し
それを年間合計時間に落とし込みます。
多分、そうすることで年間30時間程度はムダにしている
と算出できると予想できます。
そこに付け込みます。
貴方の大切な30時間をドコモで確保させてください!
と訴えます。
相手がどの格安SIM会社であろうとも
その実測値などの正確なデータに基づいて
ムダ時間を算出・提示することで顧客の信頼確保につながると考えます。
とまあ、こんなことを店内で考えちゃった日曜日の昼下がりでした。
ドコモの中年男性の方の営業成績が伸びることをお祈りし
今日は筆を置かせていただきます。