先日、ひょんなことから20歳くらいの若者(男性)と話す機会があった。
その若者は現在浪人生で、今年も大学受験をするとのことだ。
「浪人」「大学受験」というワードを耳にすると前職の血が騒ぎだしついつい
「第一志望校はどこですか?」
と聞いてしまった。
すると若者は「秋田県立大です」と答えた。
返す刀で私は「生物資源?」「システム科学?」と質問。
そう。
秋田県立大学は学部が違えばキャンパスが変わり、隣の市になってしまう。
若者は「生物資源」と答え、私は即座に「アグリビジネス?」と聞き、若者は「いや、生物資源です」と重ねて回答した。
このやり取りの時点で若者は「このオッサン何物やねん」感満載の表情だった。
私はさらに
「差し支えなければ現役の時は共テ(旧センター)何パーでした?」
と浪人生には非常に答えづらいであろう質問を投げかけ
「ボーダーには届いたんですけど倍率が25倍で…」
と彼は言った。
私は「え?(25倍って高すぎ)後期で受けたんすか??」と問うと彼は
「いや、前期後期合わせて25倍でした」
とこの辺から彼の回答が要領を得ないことに私は気づきだした。
このやり取りを経て、私は直感で「今年もダメだろな…」
と思ってしまった。
大学受験の前期後期システムの区別がついているオッサンに対して
前期後期合わせての倍率など全く必要のない情報だ。
(新聞報道では数値を大げさに表現するために前期後期合わせた倍率を言う場合もある。)
彼は「自分が落ちたのは獲得した点数が低いせいではなく単純に倍率が高いせいだ」ということを強調したかったのだと思う。
その気持ちは痛いほどよくわかる。
しかし、今年本当に合格を勝ち取りたいのであれば、自分に本当は何が足りなかったのかを真正面から受け止め、分析→行動に移す必要がある。
そう。
まずは自分の弱みを直視するマインドが必要なのだ。
しかしこの若者はそれを拒否した。
ここを拒否せず、「去年は努力が足りなかったんすよ。今年も不安だ。」
などと言ってくれようもんなら、私は全力で学習プランのアドバイスをしただろう。
場合によっては摸試の結果をわざわざLINEとかで送ってくれればより詳細な助言が可能だ。
非常に残念だ。
っていうか初対面のおっさんからなんやかや聞かれるのは非常にウザかったであろう。
まさかしょぼくれたオッサンが県大の学部どころか学科にまで精通しているとはな。
ウザさの極みである。
一期一会。
この若者とはその場限りの接触だったが、非常に勉強になった。
なんなら出身高校も聞いて(学校によりカリキュラムや使用テキストの難易度に違いがあるためその辺も助言してー)おきたかった。
一人の若者の人生を変える助言ができたかもしれない。
だがしかしだかしかし!
相手がそれを求めているとは限らない。
求められたら助言する。
そういった基本の「き」の字を私は見失っていた。
若者よ!すまん!
摸試、いや、もし今度会う機会があれば受験のことを一時忘れて飲み明かそう。
(受験生に飲ませんなってんだ!)
知らず知らずのうちに老害になっていくであろう自分への戒めとして、
今日の日記を捧げます。